発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343881
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53歳男。下痢、腹痛を主訴とした。血液検査所見にて軽度の炎症所見を認め、線溶系マーカーの上昇が認められた。腹部造影CT所見にて、上腸間膜静脈(SMV)根部から小腸周囲の末梢静脈まで血栓を認め、小腸の浮腫状変化と少量血性腹水の貯留が認められた。小腸壊死を疑い緊急手術を施行した。回腸に100cm長の虚血性変化部位を認め、一部壊死に陥っていると考えられた。腸管150cmを切除し、腸間膜切離時、静脈内に多量の血栓を認めた。術前CTで血栓を確認した時点よりheparin投与を開始し、術後3日目よりwarfarin投与を開始した。術後経過は良好で、術後7日目の腹部造影CTで上腸間膜静脈血栓症(SMVT)の増悪を認めず、術後15日目に退院した。術後1ヵ月のCTでSMVTの著明な縮小が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014