発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016009587
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肺癌術後の肺静脈断端血栓による塞栓症は、従来稀な合併症とされていたが、近年、左上葉切除術後の左上肺静脈切除断端における血栓形成が、他の肺静脈に比べて高頻度であることが注目されている。今回著者等は、左上葉切除術後早期に肺静脈断端血栓による上腸間膜動脈塞栓症を発症し、さらに遠隔期に脳梗塞を発症した症例を経験したので、文献的考察を加えて報告した。左上葉切除術後の左上肺静脈断端血栓を予防するためには断端長を可及的に短縮することが肝要であり、術後造影CTで血栓形成を認めた場合には抗凝固療法の迅速な開始と継続が必要であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015