発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012187918
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症例1は72歳男で、腹痛と下血を主訴とした。肥大型心筋症、心房細動に対してWarfarin服用中であった。症例2は90歳男で、腹痛を主訴とした。前立腺肥大症に因る尿閉に対し、尿道カテーテルを留置していた。症例3は77歳男性で腹痛を主訴とした。腸閉塞で開腹手術、肝硬変、慢性心不全、心房細動の既往あるが、Warfarinを自己中断していた。当初は腸閉塞の再発と診断し経過観察をしていた。症例1、2は血液検査所見にて代謝性アシドーシスを呼吸性に代償している所見を認めた。造影CT所見にてSMA内腔の造影欠損像を認め、急性SMA閉塞症と診断した。症例1は発症後4時間、症例2は発症後7時間、症例3は発症24時間に緊急手術を行い、SMA根部を横切開して4Fr FogartyカテーテルにてSMA血栓を摘出した。症例1、2は血流再開後に肉眼的に色調不良な部位を切除したが、症例3は腸管壊死を認めなかった。造影CTは急性SMAの早期診断に有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012