超高齢者に対する外科治療の問題点
超高齢者に対する弁膜症手術の問題点
國吉 幸男
1
1琉球大学 大学院胸部心臓血管外科学
キーワード:
心臓外科
,
心臓弁膜症
,
80歳以上高齢者
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Cardiac Surgical Procedures
,
Heart Valve Diseases
pp.484-490
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014162866
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85歳以上超高齢者の外科治療を考察するに際し,心臓血管外科領域の弁膜症治療例を用いて検討を行った.その結果,(1)高齢者は緊急手術が多く,その手術危険因子である再手術を除いてもその暦年齢に応じた手術死亡率は高い傾向を示し,また,(2)動脈硬化症による異常高血圧のための出血性合併をきたす症例が認められた.したがって,超高齢者は85歳以上まで生き延びたという優秀個体である事実と,反面,暦年齢相当の臓器,組織劣化が考えられ,その手術成績向上には,高齢者手術に対する一般論と,加えて個々の症例について検討し慎重なる管理を行う必要があると考えられた.
©Nankodo Co., Ltd., 2014