発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131508
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心臓弁膜症,とくに僧帽弁膜症では,左房への負荷によって心房のリモデリングが起こり,心房細動が発生しやすい状態が生まれる.心房細動が起こると,弁膜症ではとくに心不全を合併しやすく,心不全がさらに心房細動を持続させる.心房細動は左房血栓を形成し,とくに僧帽弁狭窄症では塞栓症のリスクが高い.頻脈性の持続性心房細動は,心不全や塞栓症のリスクが高く,電気的除細動の適応となる.この際,血栓形成の予防をあらかじめ行う.除細動後の洞調律の維持が困難な例では,心拍数(レート)コントロールでも一般にその予後は変わらない.心房細動を伴う弁膜症では,適応を十分に考慮して外科的治療を行うのが基本である
©Nankodo Co., Ltd., 2006