超高齢者に対する外科治療の問題点
超高齢者に対する食道癌手術の問題点
梶原 脩平
1
,
池田 貯
,
河野 博
,
能城 浩和
1佐賀大学 一般・消化器外科
キーワード:
食道腫瘍
,
食道切除
,
術前診断
,
80歳以上高齢者
,
周術期管理
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagectomy
,
Perioperative Care
pp.491-496
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014162867
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高齢化が急速にすすむわが国では,超高齢者への食道癌治療に直面する機会が増加してきている.周術期管理の進歩や低侵襲手術の普及に伴い,超高齢者においても耐術者を選択すると比較的安全に手術を行える.すなわち癌の進行度のみならず,performance statusや併存疾患により食道癌の治療方針を決定することが重要である.また治療計画に基づき,術後合併症や術後のquality of life(QOL)についても十分患者・家族へ説明し,インフォームド・コンセントを得ることは必須である.当施設では手術治療に関しては,年齢にかかわらず腹臥位胸腔鏡手術と腹腔鏡手術を併用している.超高齢者においても,低侵襲な内視鏡外科手術は根治的食道癌治療として有用であると考えられる.また,当教室ではロボット食道癌手術を導入しているが,高齢者においても合併症の低減とそれに伴うQOLの改善の可能性が期待される.
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