発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014140153
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症例は71歳男性で、右内腸骨動脈瘤空置術後9年6ヵ月目に下痢、嘔吐、発熱、腹痛が出現し、発症2日後に当科を受診した。腹部CT所見では右内腸骨動脈瘤破裂の可能性が高かったが、ショック状態や高度貧血は認めず、全身状態が安定していたため、経過観察とした。発症4日後に瘤は3.5cm大から10.1cm大へ拡大し、Hbの低下、肛門周囲の皮下出血斑を認めたため、右内腸骨動脈瘤破裂と診断し、緊急開腹術を施行した。手術所見では骨盤内を占拠する巨大な右内腸骨動脈瘤を認め、瘤を切開して瘤内部の血栓を除去し、瘤が開放され縮小した後に末梢側流入動脈を剥離して、外側から2重結紮後に瘤を縫縮した。術後1年6ヵ月経過した時点では、縫縮された遺残内腸骨動脈瘤は1.1cm大に縮小が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014