発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014140152
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症例は28歳女性で、子供を抱きかかえた際に左季肋部を蹴られ、激痛を自覚したが疼痛はすぐに消失したため放置していた。受傷約2週間後に再び左季肋部痛が出現したため当院を受診し、腹部CTにて外傷性副腎出血や副腎腫瘍の腫瘍内出血が疑われ、精査入院となった。入院時の腹部CTやMRI、MIBGシンチグラムでは血腫の可能性が示唆され、入院後に疼痛は徐々に消失したため、外来にて経過観察とした。受傷後約2ヵ月半の腹部CTで腫瘤内部はほぼ均一に低濃度となり、造影効果も認めなかったが、増大傾向を示した。臨床経過から、外傷性副腎出血が最も考えられたが、受傷機転からはやや否定的であり、副腎腫瘍の腫瘍内出血の可能性も考慮し、受傷約3ヵ月後に単孔式腹腔鏡下副腎摘出術を施行した。病理組織学的に外傷性副腎出血であり、術後6日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014