発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014122295
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47歳女。右季肋部痛に対し近医を受診、慢性胆嚢炎として内服加療を受けるも改善せず、発熱も出現したため、著者らの施設へ紹介となった。所見では炎症反応および肝胆道系酵素の上昇は認めず、腫瘍マーカーも正常範囲内であったが、腹部CTで胆嚢は同定できず、胆嚢床には径9mmの嚢胞状構造が認められた。また、MRIでは正常胆嚢は描出されず、総胆管右側に9mmの嚢胞構造がみられた。以上より、本症例は慢性胆嚢炎に伴う萎縮性胆嚢と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行された。手術は肝十二指腸間膜の右側で総胆管から右側に突出する10mm大の嚢胞性腫瘤に対し嚢胞を全周性に剥離して総胆管-嚢胞移行部にクリップをかけ、切離摘出した。その結果、病理所見では胆嚢筋層とその内側に円柱上皮に覆われた粘膜層を認めるが連続しておらず、完全な腔形成はなく胆嚢低形成症であった。尚、目下、2年経過で症状は消失し、検査異常も認められていない。
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