大腸癌肝転移up to date
大腸癌肝転移に対する術式選択の理論と実際
佐野 圭二
1
1帝京大学 外科
キーワード:
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
腫瘍多剤併用療法
,
大腸腫瘍
,
ネオアジュバント療法
,
IFL Protocol
,
FOLFOX Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Neoadjuvant Therapy
,
Folfox Protocol
,
IFL Protocol
pp.841-845
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013320658
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血行性転移であるにもかかわらず,大腸癌肝転移は切除により治癒あるいは予後延長効果が期待できる.大腸癌肝転移の切除適応は,肝外転移なく肝内腫瘍すべてを露出せず,十分な肝実質を残して切除できる場合である.両葉多発例に対しても,造影術中超音波検査を駆使しつつ腫瘍を露出しない非系統的切除を複数行うことにより,切除適応を拡大することができる.化学療法施行後でも,indocyanine green(ICG)試験に基づく幕内基準により安全に切除可能である.積極的切除後に切除不能の再発をきたし最終的に治癒が得られなくても,再発後化学療法を開始,あるいは再開するまでの期間の予後延長が見込まれる点で有意義な治療といえる.
©Nankodo Co., Ltd., 2013