大腸癌肝転移up to date
大腸癌肝転移の集学的治療の実際
小野 嘉大
1
,
斎浦 明夫
,
水沼 信之
,
福長 洋介
,
上野 雅資
1がん研究会有明病院 消化器外科
キーワード:
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
腫瘍多剤併用療法
,
大腸腫瘍
,
アジュバント化学療法
,
集学的治療
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
ネオアジュバント療法
,
Cetuximab
,
FOLFOX Protocol
Keyword:
Cetuximab
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Combined Modality Therapy
,
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Folfox Protocol
pp.872-878
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013320663
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大腸癌肝転移に対する治療は,大腸癌例の予後を規定する重要な因子である.今日,肝切除に対して,肝切除を中心とした局所治療および化学療法を中心とした全身治療を組み合わせ,集学的治療が行われる場合が増加している.なかでも肝切除は唯一の根治治療であり,適応と切除タイミングの決定は非常に重要である.大腸癌に対する新規抗癌薬併用療法や分子標的治療薬の進歩はめざましく,切除不能肝転移例の予後を改善し,切除可能へと移行させる治療戦略(conversion therapy)となりつつある.切除可能例に対してもより根治性を高め,予後向上をめざして術前化学療法が施行されるようになってきた.さらに,外科手術手技の向上により両葉多発肝転移例に対しても,肝切除の適応は拡大されてきた.大腸癌肝転移治療は以前に比してより集学的治療が必要となっており,今後これらの進歩をふまえた新たな治療戦略が期待される.
©Nankodo Co., Ltd., 2013