発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013255232
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症例は25歳男性で、左側腹部に間欠的な疼痛が出現し受診となった。CTで嚢状におおわれ集簇、拡張した小腸を左上腹部に認め、下腸間膜静脈がその腹側を走行していることから左傍十二指腸ヘルニアによる腸閉塞と診断し手術となった。腹腔鏡で傍十二指腸にヘルニア門を認め、空腸起始部から上部空腸が陥入しているのが認められたため、ヘルニア門を縫合閉鎖し空腸起始部で漿膜筋層も合わせて縫合した。術後5日目に退院となったが、術後6日目に嘔吐が出現し再入院となった。腹部CTで胃・十二指腸の拡張、小腸の虚脱、整復した空腸の腸間膜脂肪織の濃度上昇が認められた。腸管減圧し消化管造影検査を施行したところ、狭窄はないが空腸に内容物のうっ帯を認め機能的障害と診断した。保存的治療を行い術後42日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013