発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008098646
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39歳女。患者は右腋窩腫瘤を主訴とした。右腋窩には直径1.3cmの球形で表面平滑、境界明瞭、可動性良好、弾性硬の腫瘤され、超音波像では境界明瞭、辺縁・整、後方エコーの増強を伴う内部均一で低エコーな楕円形腫瘤が認められた。穿刺吸引細胞診では双極裸核細胞、シート状の上皮細胞、軽度細胞密度の増加した間質細胞が散在性にみられ、上皮細胞の核クロマチンは繊細で異型性に乏しく、2相性は保たれていた。右腋窩副乳に発生した線維腺腫と考え、患者希望により腫瘤摘出手術が施行されたが、病理組織像は管状、一部樹枝状の腺腫成分と、その周囲に線維性結合組織の軽度増殖が認められ、腫瘍の組織外には圧排された既存の乳腺組織が確認された。以上、これらの経過から本症例は副乳に発生した管周囲性線維腺腫と最終的に診断された。
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