発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012270915
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症例1は73歳男性で、両側下腿前面の紫斑、腹痛で受診・入院した。右下腹部に圧痛、両側下腿前面に紫斑と浮腫を認め、Schoenlein-Henoch紫斑病(SHP)と診断し、PSL内服を開始した。その後、下血が出現し、血管造影で空腸動脈末梢からの血管外漏出を認め、緊急手術で小腸部分切除を行った。病理所見で白血球破壊性血管炎を認めSHPと診断した。術後に肺水腫、MRSA肺炎から無尿となり、下血の再燃・持続で術後66日目に死亡した。症例2は89歳女性で、下血で近医に腸重積が疑われ紹介入院した。上腹部全体に圧痛と腹膜刺激症状が認められた。CTで腹水と十二指腸から左側空腸にかけて腸管拡張を認め、絞扼性イレウスを疑い緊急手術で腸管壊死を認め小腸部分切除を行った。病理所見で白血球破壊性血管炎を認めSHPと診断した。術後3日に吐血を認め、小腸内視鏡で十二指腸水平脚に湧出性出血を認め、保存的治療で一度は止血できたが、下血が再燃・持続し術後34日目に死亡した。
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