発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012264958
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50歳代男。胃癌の全摘術の2年7ヵ月後に上腹部痛が出現し、胆嚢結石症および胆結石症と診断された。右上腹部の圧痛、眼球結膜に軽度の黄疸、急性炎症所見、高度肝酵素と胆道系酵素の上昇、ビリルビン上昇を認めた。腹部CTでは、胆嚢内および総胆管内に約1cm大の結石2個を認め、MR胆管膵管造影(MRCP)では、下部総胆管に結石を疑う欠損像を認めた。以上より、胃全摘術後の胆嚢結石症、総胆管結石症と診断し、胆嚢摘出術を施行した。総胆管から2個の結石を排石したが、十二指腸への造影剤流出を認めず、一時的な造影剤通過不良と判断し手術終了とした。病理学的所見で慢性胆嚢炎と診断され、結石組成に95%以上のビリルビンカルシウムを認めた。術後より白色便が持続し、右季肋骨部痛が出現した。腹部造影CTで、総胆管に遺残結石を認めたため再入院とし、経皮胆道鏡検査を行ったところ、下部総胆管内に嵌頓した1cm大の遺残結石を認めた。胆道鏡鉗子孔より挿入したHo-YAGレーザー端子を結石に直接当て砕石を行った。十二指腸への造影剤流出を確認して経過良好で術後11日に退院した。
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