発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107226
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肝切除後に、胆嚢管からインドシアニングリーン(ICG)試薬を注入し非無影灯下で赤外観察カメラシステム(PDE)を用いて肝切除断面を撮影し胆汁瘻防止対策を行った30例(PDE群)と、ICG試薬注入のみを行った34例(対照群)について術後胆汁瘻発生頻度を比較した。PDS群はランダムに選択した。PDE群において切除断端に胆管蛍光発色所見を認めたのは22例で、そのうち11例は胆管断端を同定し結紮もしくは縫合閉鎖を行い、胆管断端や胆管走行を確認できなかった6例はシート状生物学的組織接着・閉鎖剤を貼付した。術後胆汁瘻の発生は対照群において3例に認めたが、PDE群は全例認めなかった。ICG赤外観察カメラシステムは目視で確認困難な肝切除断面の胆管断端を同定することができ、術後胆汁瘻の発生予防に有用な手段であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010