発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012219130
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症例は73歳女性で、7年前に右肺S10に最大径15mmの腫瘍が発見され、肺腺癌の診断で右下葉切除術、リンパ節郭清を施行した。病理診断はpT1aN0M0、病期IAで、術後補助化学療法は行わなかった。右季肋部から背部に痛みを自覚し、精査の造影CTで腹腔動脈周囲に長径14~20mm大の淡い造影効果を示すリンパ節を4個認めた。FDG-PETでは腫大リンパ節に一致して強いFDG集積(SUVmax 8.3)が認められた。他の部位に異常所見はなく、診断目的に開腹リンパ節生検を施行した。病理所見で高度異型の腫瘍細胞が一部で明らかな乳頭状構築を示しつつ増殖していた。免疫染色ではサイトケラチン7が陽性、CK20陰性、thyroid transcription factor-1陽性を示し、原発巣と一致したため肺腺癌のリンパ節転移と診断した。carboplatin+pemetrexedの化学療法を3コース施行し、術後1年のCTでリンパ節縮小が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012