発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012237452
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大腸癌周術期管理について検討した。大腸開腹手術例240例を対象とした。周術期管理の包括プログラムであるenhanced recovery after surgery(ERAS)は、2010年7月以降の全例(80例)に導入した。ERAS導入前・前半80例、導入前・後半80例、ERAS導入後80例の3群に分けて比較・検討をした。ERASを導入したことにより、術後在院日数が短縮し、術後7日以内に退院した割合は、導入前・前半1%、導入前・後半1%であったのが、ERAS導入後71%に著明に増加した。ERAS導入後も十分なリンパ節郭清ができていた。術後合併症の比較では、縫合不全や肺炎などの重大合併症の頻度に差はなかった。術後30日以内の再入院率の比較では、導入前・後半7.5%、導入後5%で、導入後に再入院率の増加は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012