発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012187911
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大腸癌イレウス症例67例を対象に、enhanced recovery after surgery(ERAS)管理について検討した。なお、全例に対してリンパ節郭清を伴う腸管切除を行い、1例を除き66例は一期的吻合を行った。covering stomaは造設しなかった。その結果、ERAS導入後の術後合併症、ストーマ造設、他臓器合併切除率、リンパ節郭清個数、術後合併症発生率は待機手術と同等であった。対象をenhanced recovery after surgery(ERAS)管理導入前(2009年1月~2010年6月)31例とERAS導入後(2010年7月~2011年6月)37例に分けて比較検討した結果、緊急・準緊急手術の割合はERAS導入前後の変化はなかったが、ERAS導入後、術後在院日数は短縮し、術後7日以内の退院の割合は著明に増加していた。以上より、大腸癌イレウスに対する緊急手術・一期的吻合、術中術後のERAS管理は、有用性が高いと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012