発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012169649
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胃全摘術158例を対象に、結腸前経路の劣勢の有無についてretrospectiveに検討した。対象の大部分はRoux-en-Y再建で、再建経路別に結腸前経路再建50例(男31例、女19例、平均年齢64.8±11.5歳:A群)、結腸後経路再建108例(男86例、女22例、平均年齢22.4±2.90歳:B群)に分け、症例の背景、胃癌の進行度、手術、合併症および術後経過を比較した。その結果、A群はB群と比較して、男性が有意に少なく、BMIが有意に低値であった。胃癌の長径は有意に大きく、腹膜転移陽性または腹水洗浄細胞診陽性例が有意に多かった。手術による治癒が期待できるstage IまたはII例数は有意に少なかった。術中出血量が有意に多く、術中に輸血を行った症例数が有意に多かった。郭清リンパ節個数が有意に少なかったが、転移陽性リンパ節の個数が有意に多かった。術後合併症や術後経過に関しては、両群間に有意差はなかった。以上より結腸前経路Roux-en-Y再建は有用な術式と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011