発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040615
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症例1は44歳女で、下血を主訴とした。大腸内視鏡検査で直腸S状結腸移行部に表面発赤顆粒状変化を伴う3cm大の隆起性病変を認め、経肛門的生検にて直腸子宮内膜症と診断された。患者の希望により無治療で観察しているが、下血の頻度は減少し、腫瘍は徐々に縮小している。症例2は40歳女で、定期的な大腸内視鏡検査にて直腸S状結腸移行部の粘膜下腫瘍を認めた。症例3は42歳女で、腹部膨満感を主訴とし、大腸内視鏡検査でS状結腸に結節集簇性の隆起性病変と高度狭窄を認めた。症例2、3では悪性腫瘍を否定できなかったため外科的切除術を行い、切除標本の病理組織検査で直腸子宮内膜症と診断した。2例とも術後再発を認めていない。本疾患は女性診療科と密接に連携し、十分なインフォームド・コンセントのもと、慎重な治療方針を立てることが重要であると考えられた。
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