発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005156414
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42歳女性.患者は産婦人科の子宮内膜症および卵巣腫瘍の診断で経過観察中であった.生理周期に一致して下血を認め,腸管子宮内膜症を疑い半年間のホルモン療法を行ったが症状は改善せず,今回,手術目的で著者らの施設へ紹介となった.注腸造影では直腸Rsに約3cmの鋸歯状の陰影欠損を認め,CTでは子宮左側に径5cm大のlow density,cystic mass lesionを認めた.下部消化管内視鏡でAnal vergeより10cmの部位に隆起性病変を認めたが,biopsyでは軽度の炎症細胞浸潤を認めるのみであった.子宮全摘術+両側付属器摘出術および低位前方切除術を施行した.摘出標本では子宮筋腫と両側卵巣の腫大(チョコレート嚢胞)を認め,病理所見では直腸の粘膜下層・筋層・漿膜外脂肪組織に子宮内膜組織を認めた.術後3年経過現在,再発は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005