発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040608
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2001年から4年間に手術を行った85歳以上の大腸癌患者11例(男6例、女5例、平均年齢87.5歳)について、臨床病理学的に検討した。腫瘍の占拠部位は右側結腸4例、左側結腸4例、直腸3例で、術式は治癒切除7例、非治癒切除3例、非切除1例であり、D2以上のリンパ節郭清は大腸癌切除例の50%、結腸癌切除術の60%、直腸癌切除例の100%に行われた。術後合併症は27.3%にみられ、内訳は不整脈、腸閉塞、カテーテル感染が各1例であったが、重症化することなく改善し、術後在院日数は平均21.6日であった。また、予後を追跡し得た治癒切除例6例では平均観察期間41.9ヵ月で再発を認めず、良好な成績であった。スコア化による客観的評価を行うべきであるが、85歳以上の大腸癌症例でも手術適応、術式の選択、術後合併症の予防と治療により良好な予後が期待できると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011