発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012220168
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2001年4月~2011年9月に大腸癌手術を受けた85歳以上の超高齢者71例(男女比29:42、平均年齢87.6歳)を対象に、術後合併症の発生状況とその要因について検討した。術後合併症は32例にみられ、その内訳はsurgical site infection(SSI)11例、せん妄8例、縫合不全5例、イレウス5例、肺炎1例、その他2例であり、SSIと術後せん妄で59.3%を占めた。術後合併症を認めた32例と合併症を認めなかった39例について、臨床病理学的因子、手術関連因子を解析した結果、単変量解析では性別、手術時間、出血量、手術侵襲スコア、総合リスクスコアに有意差を認めたが、多変量解析では性別(男性)のみが独立した危険因子であった。超高齢者男性の大腸癌手術例では、特に厳重に術前・術後管理を行うべきであると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012