神経内分泌腫瘍(NET)のすべて
治療 膵神経内分泌腫瘍(P-NET)の局在診断と手術療法
手塚 康二
1
,
木村 理
1山形大学 消化器・乳腺甲状腺・一般外科
キーワード:
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
X線CT
,
脾臓摘出術
,
神経内分泌腫瘍
,
多発性内分泌腫瘍1型
,
超音波内視鏡検査
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
拡散MRI
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Pancreatectomy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Splenectomy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Multiple Endocrine Neoplasia Type 1
,
Neuroendocrine Tumors
,
Endosonography
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
,
Positron-Emission Tomography
pp.838-843
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011299307
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ホルモン過剰分泌を示し、遠隔転移を起こしうる腫瘍の完全摘出のため術前の局在診断は重要である。膵神経内分泌腫瘍(P-NET)の局在診断には腹部超音波検査、dynamic CT、MRI、EUS、選択的動脈内カルシウム注入試験(SACI test)などが用いられており、画像診断の進歩により小病変の検出感度は向上してきている。散発性のP-NETに対しては、腫瘍核出術、脾温存膵体尾部切除術、脾臓摘出術を加えた膵体尾部切除術、膵頭十二指腸切除術やまれに十二指腸温存膵頭切除術などが症例に応じて選択される。悪性度の高いもの、リンパ節転移が疑われるものには予防的リンパ節郭清を考慮する。多発性内分泌腺腫症1型(MEN1)に合併するP-NETに対しての手術のタイミング、術式に関してはcontroversialであるが、臓器機能の温存と根治性のバランスを考慮した術式を選択する。
©Nankodo Co., Ltd., 2011