発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011167763
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末期癌に対し開腹術を施行した40例(男28例・女12例・平均68歳)について検討した。対象は医師が根治不可能と判断した高度進行癌で、患者もそれを理解しており、原発部位は胃22例、結腸9例、直腸3例、膵2例、肝、卵巣、食道、膀胱が各1例であった。手術部位は胃18例、小腸10例、結腸5例、直腸4例、膀胱、胆管、腹壁が各1例で、手術理由は通過障害30例、疼痛・苦痛7例、出血2例、穿孔1例であった。術後の平均生存期間は101.2日で、退院できたのは14例、退院できないが軽快は9例、軽快しなかったのは17例であった。全身状態を悪化させるような合併症は、軽快の9例中1例に、非軽快の17例中11例に認めた。Prognostic nutritional indexは、合併症群平均37.8、非合併症群37.7と差はなかった。入院時から手術までは平均18.3日を要し、その間の体重変化は非合併症群-0.69kg、合併症群平均+0.75kgと有意差を認め、特に呼吸器合併症例では+1.50kgと高値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011