発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011167762
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
消化器手術クリニカルパスを適用した胃・大腸癌患者15例(男11例・女4例・平均66.3歳)を対象に、栄養・炎症因子の経時的変化を検討した。平均摂取カロリーは術前1122kcal/日、術後7日目(7POD)1262kcal/日であった。血液検査では、血清総蛋白値とアルブミン値は術前に比べ術後低下した。IL-6値は1POD朝に上昇したが、3PODには減少傾向を示した。サイトカインはIL-6のみが有意に変動し、IL-2、IL-10には変化なかった。術後合併症は手術部位感染(SSI)7例、発熱1例、胸水貯留1例を認めたが、集中治療部管理を要する症例はなかった。術後合併症あり例となし例の比較では、年齢、性別、既往歴、術前栄養状態、周術期血液検査値変動に差はなかったが、血清IL-6平均値は1PODでSSI発生群173.3pg/ml、無発生群85.7pg/mlと有意差を認め、SSI発生群では術後高値で推移する傾向を示した。在院平均日数はSSI発生群22.4日、無合併症群15.1日と有意差を認め、SSI発生群で延長していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011