発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007243116
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2002年1月から2005年12月の大腸癌に対してクリニカルパスを使用し、body mass index(BMI)が算出された160例を対象として、肥満がクリニカルパスによる周術期管理の中でどのような影響を与えているかを検討した。160例のうち、BMI25以上の42例(平均65.8歳)を肥満群、18.5以上25未満の99例(平均64.7歳)を普通群、18.5未満の19例(平均64.6歳)を低体重群とした。平均手術時間は肥満群、普通群、低体重群それぞれ208分、185分、159分、手術部位感染発生率はそれぞれ45.2%、16.2%、5.2%で、在院日数における負のバリアンス発生率は肥満群33.3%、普通群16.2%、低体重群5.2%となり、肥満群と普通群の間に有意差があった。在院日数における負のバリアンスを生じなかった症例の比較では、術後在院日数、胃管抜去、ドレーン抜去時期、また自己判断式退院の目標の達成時期について、3群間で有意差はなかった。BMIによる肥満は、在院日数における負のバリアンス発生を高率化していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007