発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011167761
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腹腔鏡下幽門側胃切除を施行した早期胃癌170例(男98例・女72例・中央値63歳)を対象に、術後合併症の評価としてCommon Terminology Criteria for Adverse Events v3.0(CTCAE)とClavien-Dindo分類を用い、その有用性を比較した。検討項目は縫合不全、膵炎・膵液瘻、腹腔内膿瘍、吻合部狭窄、腹腔内以外の血腫、腹腔内出血、術後肺炎、吻合部出血、創部感染とした。手術時間は中央値244分、術中出血量は30mlで、開腹術移行は4例であった。術後合併症として縫合不全、膵炎・膵液瘻、腹腔内膿瘍は認めなかった。Clavien-Dindo分類では7例に合併症を認め、Grade II以上が5例、III以上が2例であった。CTCAEでも7例に認め、Grade 2以上が6例、Grade 3以上が3例であった。個々の合併症をCTCAEとClavien-Dindo分類で比較し検討した結果、Clavien-Dindo分類はCTCAEに比較して外科手術に特化した分類で、重症となる合併症では治療内容により分類が細分化されており、原則にのっとり容易に評価でき普遍性があることから有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011