発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008236662
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40歳女。左乳癌のため乳房温存手術および腋窩リンパ節郭清術を施行した。約2年9ヵ月後にCTで肝S6に25mm大の乳癌肝転移を認め、パクリタキセルによる化学療法を施行した。半年後のCTで10mm大に縮小した腫瘍を認めPRと判定したが、更に半年後に腫瘍マーカーの微増を認め、capecitabineによる化学療法を施行した。2ヵ月後のCTで40mm大に増大した同病変を認め、翌月よりvinorelbine ditartrateを投与した。しかし、直後の超音波検査で娘病変を認め、抗癌薬の全身投与に抵抗性の肝転移巣と診断し、肝右葉切除術を施行した。病理組織学的所見で肝右葉は線維化を伴い、小型の腺管、索状構造を形成する腫瘍細胞が認められ、乳癌の転移像と診断された。術後経過は良好で、術後7日に退院となり、現在外来でvinorelbine ditartrateを投与中であるが再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008