発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002905
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57歳男性。患者は右鼠径部から陰嚢の膨隆および疼痛を主訴に近医を受診、右再発鼠径ヘルニア嵌頓の疑いで、著者らの施設へ紹介となった。初診時、腹部単純X線では拡張した小腸ガス像がみられ、造影CTでは鼠径ヘルニアが認められた。以上より、本症例は脱出した腸管の血流は比較的保たれていると考えられ、右再発鼠径ヘルニア嵌頓の診断で同日、緊急手術が施行された。手術所見では回盲部を含む上行結腸および回腸の嵌頓が認められ、新たに下腹部正中切開を追加して腹腔内より腸管を牽引し還納が行われた。更にヘルニア嚢は高位で結紮・切離し、メッシュプラグを用いてヘルニアの修復が行われた。その結果、術後の経過は良好で、患者は第8病日目に軽快退院となった。
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