発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002900
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過去6年間の虫垂切除術255例を対象に70歳以上の高齢群と70歳未満の通常群に分け、比較した。その結果、高齢群は53例(20.8%)で、全体の約1/5を占めていた。術前の有症状期間は両群間で有意差を認めなかったが、高齢群では術前のCRP値、血糖値が有意に高く、白血球数が低かった。また、高齢群では壊疽性虫垂炎、膿性腹症を有する症例が多く、炎症が進行した症例が多かった。一方、炎症の進行に伴い、高齢群では傍腹直筋切開や正中切開を要する症例や他臓器合併切除を要する症例が多く、出血量もやや多い傾向にあった。更に術後SSI、SSI以外の感染症、感染症以外の合併症の発症でも高齢群は有意に多く、術後経過も不良で、経口摂取開始日、術後の在院日数も有意に長かった。尚、在院死は2例に認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010