腹部・臓器出血の診断と治療
肝細胞癌破裂による出血
吉田 直
1
,
高山 忠利
1日本大学 消化器外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
出血
,
超音波診断
,
生存率
,
X線CT
,
肝動脈塞栓術
,
肝臓破裂
Keyword:
Hepatectomy
,
Hemorrhage
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Ultrasonography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Survival Rate
pp.1058-1063
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002895
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肝細胞癌の破裂による出血は腹部救急疾患であり、迅速な診断と止血処置、それに続く肝不全に対する治療が急性期の予後を左右する。肝動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)は、その止血率の高さと低侵襲性から肝癌破裂に対する第一選択であるが、TAEによる止血や肝切除による治療の成否には通常の肝癌治療と同様に肝予備能が関与する。止血処置により全身状態が安定した後、肝予備能や腫瘍の進行度に応じて根治術を行う二期的肝切除(staged hepatectomy)を施行することで長期生存も期待できる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010