発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292459
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直腸脱の治療法として多種多様な方法が報告されているが、それぞれ利点・欠点があり、根治的で標準的な治療法はいまだ確立されていない。著者等は、経肛門的手術であるPPHとThiersch法を組み合わせた術式を行っている。今回、その手術手技を紹介し、これまでに施行した10例の成績を報告した。10例の内訳は男性2例、女性8例、年齢は69~91歳(平均80歳)で、脱出長は2~10cmであった。手術時間は48±24分、出血量は少量~28mlであった。手術後に再発したものが1例(10%)あり、この患者は術前の脱出長が10cmの症例で、術後6ヵ月時に腸脱の嵌頓をきたした。この患者に対しては再手術として開腹下に直腸吊り上げ固定術をWells法で行い、再々発はきたしていない。PPH+Thiersch法の良い適応となるのは脱出長6~7cmの症例であると考えている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010