発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010242788
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45歳女。患者は右側腹部痛を主訴に救急搬送された。所見では右側腹部に圧痛を伴う小手拳大の腫瘤がみられ、X線では小腸ガス、鏡面像が認められ、イレウスを来していると考えられた。また、CTでは臍右側の腹直筋外側に腱膜の欠損と小腸の嵌頓、更に嵌頓部位から口側腸管の拡張が認められた。以上より、本症例は開腹歴がなく、ヘルニア門がSpigel腱膜にあるためSpigelヘルニアと診断された。そして、用手的に整復されたため、イレウスの治療の後、待機的に手術が施行された。その結果、ヘルニア嚢の下縁が下腹壁動静脈近傍にまで及び、広い範囲で後壁補強をする必要があり、Modified Kugel PatchのLサイズを用いたdirect Kugel法が使用され、必要十分な補強を行うことができた。術後は経過良好で、目下、1年以上が経過するが、再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010