発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009067963
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74歳女性。患者はS状結腸癌でS状結腸切除術、虫垂炎で虫垂切除術、胃癌で幽門側胃切除術の既往があった。今回、左下腹部の膨隆と圧痛で受診となった。所見では左下腹部に軽度の圧痛を伴う小児頭大の膨隆が触知され、CTでは左腹直筋外縁に腱膜欠損と小腸脱出が認められ、ヘルニア門が半月状線のためSpigelヘルニアを疑い手術が行なわれた。菲薄化した外腹斜筋腱膜直下を切開したところ、外腹斜筋と内腹斜筋の間を下方に脱出した15cm大のヘルニア嚢と5×3cmのヘルニア門が認められ、ヘルニア門は腹横筋腱膜と内腹斜筋腱膜を貫いてSpigel腱膜から脱出していた。Spigelヘルニアと診断され、ヘルニア門を開放し、嚢を開くと内容は小腸と大網であった。腱膜欠損部の補強に腹壁ヘルニア用のComposix Kugel patchを用いて修復した結果、術後経過は良好で、第8病日目に退院、術後6ヵ月経過現在、CTでも再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008