発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009290340
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76歳男性。患者は69歳時に胆石胆嚢炎の腹腔鏡下胆嚢摘出術後4ヵ月目に右肋弓下トロカール跡から膿が流出、腹腔内膿瘍の腹壁突破と診断された。その後、73歳時に右背部皮下膿瘍、74歳時には右側胸部の皮下筋層内膿瘍が認められ、更に右背部に皮下膿瘍の再燃が生じた。今回、76歳時に右側胸部の皮下筋層内膿瘍再燃と2ヵ月後に右背部皮下膿瘍の再燃がみられ、あわせて自壊で黄色膿の排液を認めたため、根治手術目的で著者らの施設へ入院となった。CTでは皮下と筋層内に膿瘍が認められたが腹腔内膿瘍は認めず、右背部の自壊口よりの瘻孔造影では、瘻は肋間にそって前胸腹壁まで続いていた。以上、これらのことより、治療として全身麻酔で内視鏡下に瘻孔内を掻爬し、肉芽を電気凝固切除した。その結果、手術時間は1時間52分、出血量は80mlで、膿の培養ではMRSAが検出された。術後経過は良好で、術後8ヵ月現在、再燃は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009