発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003477
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化膿性脊椎炎の臨床像について検討した。対象は1997~2006年までに入院治療を行った化膿性脊椎炎56例(男性37例、女性19例、平均年齢65歳)で、罹患部位は頸椎6例、胸椎14例、腰椎36例、合併基礎疾患(糖尿病13例、癌5例、人工透析3例、肺炎3例、肝硬変2例、ステロイド治療歴4例)であった。これらを有する易感染性宿主群30例(C群)と健常者群26例(N群)に分け比較した結果、1)全体でKulowski分類による発症型は急性型35例、亜急性型9例、潜行型12例であった。2)受診から診断までの期間は平均36日、起因菌は35例(63%)で同定され、うち11例(31%)が第一世代セフェム系抗菌薬に感受性を持たなかった。3)治療法は保存的治療34例、穿刺洗浄2例、手術的治療20例であった。4)以上の各項目ではC群とN群間に有意差は認めなかった。尚、CRPの陰性化はN群全例、C群19例(63%)で、陰性化までの期間はN群38.1日、C群60.6日であった。また、入院期間はN群48.7日、C群84.2日で、予後良好はN群全例、C群16例(53%)といずれも有意差が認められた。
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