発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009234148
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症例1(5歳女児)。嘔吐・腹部膨満を主訴とした。腹部超音波では右上腹部に嚢胞性病変が認められ、胃透視で胃幽門側大彎に壁外性の圧排除所見を認めた。胃重複症を疑い、手術を施行したところ、胃幽門側大彎後壁に連続しただるま型の嚢腫が認められ、横行結腸間膜を貫通していた。内腔は胃粘膜様粘膜で覆われ、後壁に深い潰瘍病変を認め、潰瘍底は膵前面であった。嚢腫を摘出したところ、組織学的に胃重複と診断された。症例2(5ヵ月女児)。嘔吐を主訴とした。腹部超音波では肝下面に球形で厚い壁を有する嚢胞性病変が認められ、胃透視では腫瘤と胃とは明らかな交通を認めず、幽門前庭部の壁外性の圧排所見がみられた。胃重複症を疑い、手術を施行し腫瘤を切除したところ、嚢胞内腔は胃粘膜様粘膜で覆われ、外層に固有筋層が確認されたが粘膜筋板・粘膜下層が欠如していた。また、固有筋層の下には膵組織がみられ、総じて胃重複症と診断された。尚、両症例ともに術後経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009