臨床報告
虹彩および結膜に腫瘤形成がみられた多発性骨髄腫の1例
阿部 駿
1
,
上田 俊一郎
,
後藤 浩
1東京医科大学 臨床医学系眼科学分野
キーワード:
結膜疾患
,
虹彩疾患
,
骨髄腫-多発性
,
腫瘍再発
,
腫瘍退行-自然
,
腫瘤
,
放射線療法
,
免疫組織化学
,
Syndecan-1
Keyword:
Conjunctival Diseases
,
Immunohistochemistry
,
Multiple Myeloma
,
Iris Diseases
,
Neoplasm Regression, Spontaneous
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Radiotherapy
,
Syndecan-1
pp.777-780
発行日 2016年7月5日
Published Date 2016/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016341317
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
42歳男。4年前に多発性骨髄腫を発症し、前医で化学療法と同種骨髄移植が行われ、寛解していたが、今回、右眼の虹彩に腫瘤が出現し、当科に紹介された。右眼虹彩の下方に限局性の隆起性病変を認め、新生血管を伴っていた。多発性骨髄腫の眼内局所再発と原発性虹彩腫瘍とを鑑別するため、全身精査後に虹彩腫瘤の生検を予定していたが、予定日(4ヵ月後)までの間に腫瘤は自然消失した。一方で右眼の下方球結膜にサーモンピンク様の結節性病変が新たに出現し、同部の生検により形質細胞腫と診断、多発性骨髄腫の局所再発と判断した。結膜病変は外科的に切除したのち、前医で眼局所への放射線治療が行われ、生検による診断から11ヵ月経過している現在まで再発は認めていない。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.