発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016164631
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67歳女。C型慢性肝炎(C/CH)にて加療中であったが、ペグインターフェロン治療から約2年後の腹部超音波検査で肝内占拠性病変を認めた。入院時所見では血小板数とアルブミンの減少、トランスアミナーゼ、LDHと総蛋白の上昇およびM蛋白の著増(36.7%)を示した。腫瘍マーカーはAFP、PIVKA-IIともに高値であり、特徴的な画像所見と合わせて、HCC(肝細胞癌)with C/CH/LC(肝硬変)、Child-Pugh A、肝障害度Bと診断した。入院後の追加検査にて血清IgG高値、免疫電気泳動にてM蛋白はIgG-κ型と判明し、骨髄穿刺では核異型の強い形質細胞を18%認め、多発性骨髄腫(MM)と診断した。本症例はM蛋白血症からMMの合併が判明したC/CH-LC/HCC症例であり、MMとHCCの同時性二重癌と考えられた。
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