発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009328906
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51歳男。患者は貧血を主訴とした。生検の結果、十二指腸下行脚から水平部にかけてのgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された。手術延期の希望があり、病理組織学的検索等から術前imatinib投与の適応と判断し、400mg/日で8週間投与された。Imatinib投与後の画像所見等では腫瘍サイズは約1/4周性にまで縮小し、潰瘍も浅くなり、底部の露出血管は消失していた。一部下大静脈との境界が不明瞭で浸潤が完全に否定できなかった部分も、境界明瞭となり、浸潤は否定的となった。以上の所見からimatinib投与終了後、約3週間にわたり経過観察し、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術が施行された。その結果、病理組織学的所見では十二指腸GISTと確定診断されたが、核分裂像は少なく、悪性所見を認めなかった。術後の軽快を待って、術後約5週からimatinibによるアジュバンドを開始し、現在は経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009