特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
毛包炎が疑われた皮膚放線菌症
木下 裕美
1
,
渡辺 大輔
1愛知医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Cephalosporins
,
歯瘻
,
鑑別診断
,
皮膚疾患-顔面
,
表皮嚢胞
,
放線菌症
,
頬
,
毛包炎
,
皮膚疾患-細菌性
,
Actinomyces israelii
Keyword:
Actinomycosis
,
Diagnosis, Differential
,
Dental Fistula
,
Cephalosporins
,
Cheek
,
Folliculitis
,
Facial Dermatoses
,
Epidermal Cyst
,
Skin Diseases, Bacterial
pp.567-570
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271482
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<症例のポイント>右頬部に膿瘍を呈し毛包炎を疑った皮膚放線菌症の1例を経験した。Behcet病が基礎疾患にあり、毛包炎様皮疹も鑑別にあげられた。病理組織では菌塊は球形・卵形・不整形で中央がヘマトキシリンに、周辺部はエオジンに好染し、周辺にはエオジンに染まる棍棒体が放射状に配列する菌塊がみられた。発症機序として患者は神経Behcet病で長期にわたってPSL30mg/日内服中であったことや、常に義歯を装着しており、義歯により頬部粘膜に外傷を生じた結果、Actinomyces israelliが粘膜下へ侵入し皮膚に到達した可能性が考えられた。
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