発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009154663
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78歳男。食道癌術後21日目に呼吸困難を訴え、胸部単純X線・CTで胸水貯留、右肺下葉が圧排される所見を認めた。胸腔穿刺を施行したところ、白濁した胸水流出を認め、術後乳糜胸と診断した。保存的に経過観察し、絶食、経腸栄養のみとしたところ胸水の白濁は消失した。しかし、胸腔ドレーンからの排液量は600~2740ml/日と多量で、著明な低蛋白血症、低アルブミン血症、低ナトリウム血症を主とする電解質バランスの崩れを認めたため、術後31日目に胸腔鏡下手術を施行した。手術翌日より経腸栄養、術後3日目より経口摂取を開始したが、胸腔ドレーンからの排液は漿液性で白濁を認めず、術後6日目に胸腔ドレーンを抜去し、再手術後31日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009