手術症例報告
経皮経肝的胸管塞栓術により完治した食道癌術後乳び胸の1例
数野 暁人
1
,
小澤 壯治
,
小熊 潤也
,
山崎 康
,
二宮 大和
,
小泉 淳
1東海大学 医学部消化器外科
キーワード:
Cyanoacrylates
,
X線透視検査
,
肝臓
,
胸管
,
胸腔鏡法
,
結紮
,
術後合併症
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
塞栓術
,
乳び胸
,
腹腔鏡法
,
リンパ管造影
,
血管内治療
,
コイル
Keyword:
Chylothorax
,
Embolization, Therapeutic
,
Cyanoacrylates
,
Esophageal Neoplasms
,
Fluoroscopy
,
Ligation
,
Liver
,
Lymphography
,
Laparoscopy
,
Postoperative Complications
,
Thoracoscopy
,
Thoracic Duct
,
Esophagectomy
,
Endovascular Procedures
pp.81-84
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016149779
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症例は76歳男性で、食道癌[MtLt、2型、cT3、N2(N0.108、No3)、M0、cStage III]に対し胸腔鏡下および腹腔鏡補助下に胸部食道全摘術、3領域リンパ節郭清、胸骨後経路頸部食道胃管再建および空腸瘻造設術を施行した。術後3日に胸腔ドレーン排液量が1600mL/日に増量し、乳び胸と診断した。オクトレオチドやエチレフリンによる保存的治療を行ったが、改善しなかった。放射線科医の協力を得て、術後11日に経皮経管的に胸管を穿刺し、胸管損傷部の閉塞術を施行する方針とした。術前のリンパ管造影で胸管切除断端部より約4cm尾側の胸管に造影剤の漏洩があり、胸管損傷部と診断した。正面・側面の2方向同時X線透視装置を用いて穿刺し、胸管損傷部にコイリングを行った後に3%n-butyl-cyanoacrylateを胸管内に注入した。術後、合併症なく胸腔ドレーン排液量が減少した。術後18日に食事を再開しドレーンを抜去した。術後46日に軽快退院となった。
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