発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009154662
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76歳男。右被核出血で緊急入院し、保存的治療が行われた。意識レベルJCSで2、食事は口角からこぼれ3~5割摂取で、入院第9病日から経口摂取不能となり完全静脈栄養(TPN)となった。第23病日に左被核出血を生じ、JCSで200と低下した。保存的治療を続けたが肺炎となり、セフォペラゾン+スルバクタムが投与された。第37病日に気管切開が施行したが創から湧出性出血が続き、翌日バイポーラ電気メスで止血したが止血不能で、第41病日転送された。新鮮凍結血漿8単位、メナテトレノン30mg投与したところPT、APTTは著明に改善した。第1・第2病日もメナテトレノンを20mg、10mg投与したところ、出血も完全に抑制され、再転院となった。転院後も40秒台で推移したが、気管切開孔からの出血はなかった。TPN導入症例ではビタミンK(VK)欠乏と食事摂取量把握や必要に応じた血液凝固検査が、VK補給が重要と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009