下部直腸癌の診断と治療 最近の進歩
下部直腸癌の治療 括約筋切除による肛門温存手術 intersphincteric resection(ISR)、external sphincteric resection(ESR)
赤木 由人
1
,
白水 和雄
,
衣笠 哲史
1久留米大学 外科
キーワード:
人工肛門造設術
,
術前診断
,
直腸腫瘍
,
回腸嚢肛門吻合術
,
治療成績
,
骨盤内感染症
,
肛門括約筋温存術
,
縫合不全
Keyword:
Rectal Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Proctocolectomy, Restorative
,
Pelvic Infection
pp.157-162
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009116195
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直腸切断術が標準的な手術法として考えられてきた、腫瘍下縁が肛門管にかかるような直腸・肛門管腺癌に対し、経肛門的に肛門括約筋を切除し、結腸肛門吻合により肛門の温存を図るintersphincteric resection(ISR)・external sphincteric resection(ESR)という新しい術式について概説した。本術式は根治性、機能温存という相反する要望を満たす術式の一つになりうると考えられ、今後、直腸切断術は減少するものと期待できる。しかし、解剖学的な知識と高度な技術を要するものであり、症例の選択と括約筋切除の術中判断は慎重でなければならない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009