括約筋間直腸切除術(ISR)のすべて
ISRの限界例に対し機能と根治性からみたESRの位置づけ
赤木 由人
1
,
弓削 浩太郎
,
衣笠 哲史
,
緒方 裕
1久留米大学 外科
キーワード:
術後合併症
,
腫瘍再発
,
腫瘍侵入性
,
直腸腫瘍
,
治療成績
,
排便障害
,
直腸切除
,
会陰筋
,
肛門括約筋温存術
Keyword:
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Postoperative Complications
,
Rectal Neoplasms
,
Treatment Outcome
pp.297-301
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015130706
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括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection:ISR)は内肛門括約筋切除を伴う腹肛門的直腸切除術,経肛門結腸肛門吻合術であるが,根治性からISRが不可能と考えられるのは,腫瘍下縁が歯状線より口側に存在し,内肛門括約筋を超えて浸潤(T3, T4)する症例である.このような場合,外括約筋切除術(external sphincteric resection:ESR)をすることで根治性は維持される.ただし画像診断での浸潤の診断には限界があり,over surgeryになっていることが多い.またESR後の肛門機能や排便状態は,ISRと比べると必ずしも満足が得られるものとはいいがたい.外括約筋を切除して肛門温存することで,quality of life(QOL)が低下する例があることも説明しなければならない.
©Nankodo Co., Ltd., 2015