腫瘍栓のすべて
切除以外の治療 腫瘍栓と移植
今村 宏
1
,
菅原 寧彦
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵・人工臓器移植外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝臓移植
,
門脈
,
流血中腫瘍細胞
Keyword:
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Portal Vein
,
Liver Transplantation
pp.215-220
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008135415
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肝細胞癌移植後の再発は腫瘍細胞の全身循環への散布によるものであり、その機序には腫瘍栓が直接に関与していると考えられ、事実腫瘍栓は肝移植後の強い独立した予後不良因子である。しかしこれは病理学的な因子であり、術前の画像で認められるものを除き摘出肝の検索ではじめてわかるものである。移植の適応基準としてはミラノ基準などがあるが、いずれも数と大きさを構成因子としており、これらは腫瘍栓に対する代替因子であると考えられる。移植摘出肝あるいは肝切除標本での検索でも、これらの因子と腫瘍栓との相関が認められている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008