腫瘍栓のすべて
腫瘍栓の外科治療 切除のコツと予後からみた適応 門脈内腫瘍栓(1)
猪飼 伊和夫
1
,
波多野 悦朗
,
安近 健太郎
,
尾池 文隆
,
上本 伸二
1京都大学 肝胆膵・移植外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
血管造影
,
門脈
,
流血中腫瘍細胞
Keyword:
Angiography
,
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplastic Cells, Circulating
,
Portal Vein
pp.153-159
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008135404
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門脈腫瘍栓合併肝細胞癌では、門脈第一次分枝までの腫瘍栓は定型的肝葉切除で切除可能であるが、門脈本幹や対側門脈に腫瘍栓が進展した場合には門脈本幹の血行遮断下に腫瘍栓を摘出しなければならない。われわれはこれまでこのような高度進行肝細胞癌に対し外科的治療を積極的に行ってきた。2002年までのVp3およびVp4肝細胞癌切除例の5年生存率は10.9%であり、腹水・プロトロンビン活性値、腫瘍径が独立した予後因子であった。2001年以降は肝切除と肝動注療法を併用するようになり、治療成績の改善が得られている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008